| メイン |
映画: IT スタンド・バイ・ミー
2018年1月24日 映画久しぶりのDNは、スティーブンキング的「少年の夏の日」映画を2本まとめて語ることにした。
ITは若干ネタバレがあるかも…
【IT / イット “それ”が見えたら、終わり。】(未見者向け)
【スタンド・バイ・ミー】
ITは元はスティーブン・キングの小説で、1990年にも映像化されて殺人ピエロというコンテンツを世に広めた立役者だったらしい。
私が観たのは2017年のリメイク版だ。
そもそも、ITをホラー映画の括りにいれてよいかどうかは非常に難しいと思っていて、(この言及自体すでにかなりのネタバレになってしまうのだが)メインに据えられているのは恐怖現象ではなく、恐怖に立ち向かう少年達の冒険と成長なのだ。
クールな殺人鬼がユニークな殺し方するのを見るゾ~~!っていう気持ちで映画館に行くと、大きく期待を裏切られることになる。その衝撃を映画館で味わって欲しいという思いと、凡百のホラーではないから是非期待して観にいって欲しいという思いとがあったため、どのような日記を書くかかなり迷ってしまった。
そして、結果として後者を選ぶことにした。
(もちろん、ホラー映画として観ても完成度は高く、期待していたような猟奇殺人を見ることはできた。ただ、少年達の成長や悩みに関するシーンにも尺が裂かれていて、全編恐怖映像というわけではない。それがかえって怖さを引き立てる気もする。(恐怖には鮮度がある理論))
予告編で伝わるとおり、物語は子供のみを標的とする殺人ピエロ「ペニーワイズ」が田舎町(の子供たち)を恐怖に陥れるところからスタートする。
ペニーワイズは標的をすぐには殺さず、何度も目の前に現れて恐怖を与え続け、弄ぶように殺しを行うのだ。
ペニーワイズを恐れる少年達は大人たちの手を借りられず(大人にはペニーワイズが見えない)、自分達のみでペニーワイズに対峙する。
その過程で、個々人の抱える問題にも立ち向かい、人間的にも成長していく(この辺りはスタンド・バイ・ミーと同じだ)。
任天堂のRPG,MOTHERシリーズの糸井重里氏はスティーブンキングの小説に影響を受けたそうだが、ITもまた非常にMOTHERらしい映画だった。
いうなれば、超怖いMOTHER2というところだ。
もちろんTVゲームのRPGが登場するより前の時代の原作なのだが、ITは良い意味で非常にRPGっぽい。
少年に信頼できる同年代の仲間ができ、共に冒険をするのだ。
私は1988年生まれだが、小学生の頃にRPGにめぐり合えてよかったと思う。
仲間と旅に出ることへの憧れを教えてくれたのはMOTHER2やFF7だったが、その憧れが今の人生(仕事・プライベート)を豊かにしていることは間違いない。
成人してからITやスタンド・バイ・ミーを観て、少年の夏の日に戻れないことを悔やんで欝になる可能性は間違いなく存在する。
ただ、実際には大人になって友人と冒険の旅ができないなんていうことは決してない。現に私は気心知れた友人とひたすら街を歩き続けるという余暇を楽しんでいる。それもキャッスルロックやデリー(スティーブンキングの世界にある架空のアメリカの田舎町)やオネットやツーソン(MOTHER2版のそれ)のような田舎町でなく、新宿や銀座や丸の内や豊洲という都会である。
少年の夏の日に戻れないことを悔やんで欝になる前に、”こういう旅でのみ得られる友情と成長がある”ということ、そして”旅は田舎だけのものじゃないし、少年だけのものじゃない”ということを知ってほしいということを言っておく。
このブログを読んでいる人の多くはマジックプレイヤーであり、休日に遊ぶ価値観の合う仲間は同年代の人より多いはずだ。
欝になることを恐れずに、是非ITとスタンド・バイ・ミーを今一度観てほしい。きっと休日が今まで以上に輝くだろう。
【スタンド・バイ・ミー】
原作は既読だったが、映画は今の今まで観ていなかった。
私をよく知る人間にこのことを伝える度にとんでもなく驚かれていた。
美少年及び美少年同士の友情が大好きで、映画も好きなら絶対観ているだろうという類推なのだろう。
原作を読んでとても気に入ったと同時に、今見ると「少年の夏の日に戻れない欝」に罹患するのではないかという恐怖があり、ずっと観られないでいたのだ。
ITのレビュー(と言う名の自分語り)に書いた通り、ここ2年位友達と街歩きをしているわけだが、先週末には良い旅が連続的に訪れたので満を持して視聴に踏み切ったのだ。
子役の演技も脚本のテンポもカメラワークも音楽も細かいシーンの描写も本当に素晴らしく、原作以上の破壊力があり「あ、これエモすぎる…観るタイミングによっては死んでた…」という感じだったので一命を取り留めたと言える。
詳しい感想は後日書くことにしよう。
ただ、読者の皆さんには「エモさの急性中毒死」に本当に気をつけて視聴していただきたい。
特に1988年前後生まれの成人男性の方はショック死する危険性があるから、【ファイト・クラブ】を先に観ておいた方がいい。
ITは若干ネタバレがあるかも…
【IT / イット “それ”が見えたら、終わり。】(未見者向け)
【スタンド・バイ・ミー】
ITは元はスティーブン・キングの小説で、1990年にも映像化されて殺人ピエロというコンテンツを世に広めた立役者だったらしい。
私が観たのは2017年のリメイク版だ。
そもそも、ITをホラー映画の括りにいれてよいかどうかは非常に難しいと思っていて、(この言及自体すでにかなりのネタバレになってしまうのだが)メインに据えられているのは恐怖現象ではなく、恐怖に立ち向かう少年達の冒険と成長なのだ。
クールな殺人鬼がユニークな殺し方するのを見るゾ~~!っていう気持ちで映画館に行くと、大きく期待を裏切られることになる。その衝撃を映画館で味わって欲しいという思いと、凡百のホラーではないから是非期待して観にいって欲しいという思いとがあったため、どのような日記を書くかかなり迷ってしまった。
そして、結果として後者を選ぶことにした。
(もちろん、ホラー映画として観ても完成度は高く、期待していたような猟奇殺人を見ることはできた。ただ、少年達の成長や悩みに関するシーンにも尺が裂かれていて、全編恐怖映像というわけではない。それがかえって怖さを引き立てる気もする。(恐怖には鮮度がある理論))
予告編で伝わるとおり、物語は子供のみを標的とする殺人ピエロ「ペニーワイズ」が田舎町(の子供たち)を恐怖に陥れるところからスタートする。
ペニーワイズは標的をすぐには殺さず、何度も目の前に現れて恐怖を与え続け、弄ぶように殺しを行うのだ。
ペニーワイズを恐れる少年達は大人たちの手を借りられず(大人にはペニーワイズが見えない)、自分達のみでペニーワイズに対峙する。
その過程で、個々人の抱える問題にも立ち向かい、人間的にも成長していく(この辺りはスタンド・バイ・ミーと同じだ)。
任天堂のRPG,MOTHERシリーズの糸井重里氏はスティーブンキングの小説に影響を受けたそうだが、ITもまた非常にMOTHERらしい映画だった。
いうなれば、超怖いMOTHER2というところだ。
もちろんTVゲームのRPGが登場するより前の時代の原作なのだが、ITは良い意味で非常にRPGっぽい。
少年に信頼できる同年代の仲間ができ、共に冒険をするのだ。
私は1988年生まれだが、小学生の頃にRPGにめぐり合えてよかったと思う。
仲間と旅に出ることへの憧れを教えてくれたのはMOTHER2やFF7だったが、その憧れが今の人生(仕事・プライベート)を豊かにしていることは間違いない。
成人してからITやスタンド・バイ・ミーを観て、少年の夏の日に戻れないことを悔やんで欝になる可能性は間違いなく存在する。
ただ、実際には大人になって友人と冒険の旅ができないなんていうことは決してない。現に私は気心知れた友人とひたすら街を歩き続けるという余暇を楽しんでいる。それもキャッスルロックやデリー(スティーブンキングの世界にある架空のアメリカの田舎町)やオネットやツーソン(MOTHER2版のそれ)のような田舎町でなく、新宿や銀座や丸の内や豊洲という都会である。
少年の夏の日に戻れないことを悔やんで欝になる前に、”こういう旅でのみ得られる友情と成長がある”ということ、そして”旅は田舎だけのものじゃないし、少年だけのものじゃない”ということを知ってほしいということを言っておく。
このブログを読んでいる人の多くはマジックプレイヤーであり、休日に遊ぶ価値観の合う仲間は同年代の人より多いはずだ。
欝になることを恐れずに、是非ITとスタンド・バイ・ミーを今一度観てほしい。きっと休日が今まで以上に輝くだろう。
【スタンド・バイ・ミー】
原作は既読だったが、映画は今の今まで観ていなかった。
私をよく知る人間にこのことを伝える度にとんでもなく驚かれていた。
美少年及び美少年同士の友情が大好きで、映画も好きなら絶対観ているだろうという類推なのだろう。
原作を読んでとても気に入ったと同時に、今見ると「少年の夏の日に戻れない欝」に罹患するのではないかという恐怖があり、ずっと観られないでいたのだ。
ITのレビュー(と言う名の自分語り)に書いた通り、ここ2年位友達と街歩きをしているわけだが、先週末には良い旅が連続的に訪れたので満を持して視聴に踏み切ったのだ。
子役の演技も脚本のテンポもカメラワークも音楽も細かいシーンの描写も本当に素晴らしく、原作以上の破壊力があり「あ、これエモすぎる…観るタイミングによっては死んでた…」という感じだったので一命を取り留めたと言える。
詳しい感想は後日書くことにしよう。
ただ、読者の皆さんには「エモさの急性中毒死」に本当に気をつけて視聴していただきたい。
特に1988年前後生まれの成人男性の方はショック死する危険性があるから、【ファイト・クラブ】を先に観ておいた方がいい。
| メイン |
コメント